僕らが紡ぐ、不可思議な話。

「えっ? 君!」
「こ、こんにちは。あ、あのっ、今お時間、ありませんでしょうか」
「い、今? えっと」
 困ったように坂谷は隣の女子生徒へと視線を投げる。女子生徒は、満面の笑みでぐっと親指を立てた。
「みんなには私が言っとくから! えりちゃん、行ってらっしゃ〜いっ!」
「え、ちょ、ちょっとぉっ」
 強制的に仕事から外された彼女。申し訳なく思いながらも、今回ばかりは強引に坂谷を押し出してくれた女子生徒に感謝する。
「も〜……! 雪ちゃんってば、強引なんだから」
「す、すみません、僕の所為で」
「あ、君は謝らないで! でもあれ絶対勘違いされてたよ」
「勘違い?」
 首を傾げると、坂谷は小さく頷く。被っていた頭巾を外して、艶やかな黒髪ロングと茶色の大きい瞳が顕になった。
「うん。君が、私に告白するって思われてたみたい」
「こ、こくっ!? 違います!」
 なるほど、そういう勘違いをされていたのかと納得する。慌てて首を横に振ると、「知ってる」と笑われた。