僕らが紡ぐ、不可思議な話。

「い、いえ。大丈夫です。あの、このクラスに、坂谷絵里奈先輩っていませんか?」
「え? えりちゃんのこと……?」
 今度は女子生徒の方がきょとんと首を傾げる。けれど数秒後、パッと顔が明るくなった。
「わ、分かりました、えりちゃ──絵里奈ちゃんのことですね! 少々お待ちください……!」
「あ、はい。ありがとうございます?」
 凄いスピードで教室内へと引っ込んで行った彼女。数十秒後、その女子生徒はもう一人の女子を連れて戻ってきた。
「後輩からの呼び出しって、なんの事? 全然覚えないんだけど……?」
「文化祭で呼び出しって──あれしかないっしょ!」
「あ、あれ? あ、えぇっ? 私に限って、そんなことはないない!」
 わたわたとしたように声をあげている女子──赤い頭巾とマントの衣装をまとっていて顔はあまり見えないが、確かにこの前ぶつかった相手だった。
 呼んできてくれた親切な女子生徒は、何故か目を輝かせて坂谷を湊の前へ押し出してくる。
 坂谷は湊と目が合った瞬間、驚いたように目を見開いた。