僕らが紡ぐ、不可思議な話。

 でも、自分が呪いによって危険な目に遭うかも、なんて言われてもピンと来ない。けれどやはり風真の言葉はもっともなのか、背を向けていた伊吹が振り返り、その目は悔しそうに風真を、否、風真を通り越して他の誰かを睨んでいた。
(え? ……ん? え? なんでそんな目を?)
 湊は、混乱しながらも恐る恐る口を開く。
「あの……、僕も自分の身は自分で守ります」
「あちゃ〜、振られちゃったね伊吹☆」
「何が振られただふざけんなバカ兄貴。はあ、めんどくせーが……解くぞ、呪い」
「うんうん、その選択が一番いいよね。おにーさんも特別に協力しますよ!」
「上から目線やめろ」
(え、えぇ……)
 伊吹が呪いを解く気になってくれたのには嬉しいけど、でも、何故伊吹がそんな気になったのか理解できず、湊は戸惑った。
(だって……)
「解かなくてもいい」と言い切っていたのに、何が伊吹の考えを変える一手になったのか。それは……あの鋭い瞳といい、風真の「湊に被害が出るかもしれない」という言葉だと予想される。