だから私は、明日の私を待つ

「だっさー」


周りからもケラケラと笑い声が聞こえる。


「ヤバ!あと五分でチャイム鳴っちゃうよ!」


誰かがそう叫んで、私たちは川崎を置いてその場を後にした。


「誰か、助けて…」


そんな川崎の声には、誰も振り返らなかった。


チャイムが鳴る一分前に、私たちは教室に着いた。


「ギリセーフ!」


イエイ!と咲希と二人でハイタッチをする。


そこに、佳子と杏奈が来た。


「二人とも遅すぎ!どうせ美樹が寝坊でもしたんでしょ?」


「なーんで私なのよ。てか聞いてよ!さっき校門で川崎に会ったの」


私は今さっきの出来事を二人に話した。


「えー何それ、ちょーウケる」


「やっぱ川崎最高だわ」


本当に楽しい。


これで川崎の遅刻が確定するのも、あの時の川崎の顔も、思い出すだけで口角が上がる。


こうして笑い合える友達がいることが、何より楽しいし嬉しい。


そうこうしているうちに、チャイムが鳴った。


「はい川崎遅刻ー!」


そう私が叫ぶと、クラスはわーっと盛り上がる。


「川崎また遅刻かよ」


「ほんと、何回目だよ」


このクラスのカースト一位は私。


みんな私のいうことをちゃんと聞いてくれる。


だから私の毎日は本当に充実している。


こんなにたくさんの人に恵まれて、たくさんの見方がいるんだもの。


そう、川崎だって私のいうことを聞いとけば、こんなことにならなかったのにね?