だから私は、明日の私を待つ

「んじゃ今日は靴の中に泥でも塗ってやろうかな。それから、佐々木に告白でもさせるか。それを動画に撮って拡散!」


佐々木は隣のクラスの地味男。


川崎と佐々木なんて、地味同士お似合いだ。


「よし決まり!佳子と杏奈にも言っておくね!」


佳子と杏奈も私の親友だ。


あの二人も何でも協力してくれる、大切な親友。


角を曲がって校門が見えた頃、目の前に川崎の姿があった。


「おっ、ちょうどいいじゃん」


「今から凸っちゃう?」


私と咲希は、川崎の元へと走った。


まずは、ドンっとわざとぶつかって川崎を転倒させる。


「あーっ、ごめんねぇ、わざとじゃないんだー」


「美樹大丈夫?川崎の菌とかついてない?」


「わー最悪!バイキンに触っちゃった」


わざと大声で叫ぶと、周りのみんなは私のところに集まって、私の心配をしてくれる。


「橋本さん、宇都美さん…」


川崎が顔をあげて、軽々と私たちの名前を呼んだ。


「ああっ、私が踏んづけてたわ、ごめんごめん」


周りの子たちもノリに乗ってくれて、川崎を踏んづけたり、カバンのチャックを開けて逆さまにしたりと、川崎にとって不幸なことを次々としてくれた。


「川崎さん、起こしてあげる」


私は川崎に手を差し出した。


川崎は私の手を掴む。


「わあっ」


「ねぇ川崎さん重すぎー」


私はわざと川崎の手を離した。


川崎は再び転倒した。