だから私は、明日の私を待つ



自分さえ楽しければ、それでいいの。








『ピピピピッピピピピッ』


アラームの音で、今日も楽しい一日が始まる。


私は一軍女子で、弱い人はみんな私を恐れる。


やれと言ったらやってくれる、買ってこいと言ったら買ってきてくれる、何でもしてくれる友達だっている。


親もお金持ちで、欲しいものは何でも買ってくれる。


この世界には、私にとって何ひとつ不自由なんてなかった。


そして、私は学校が好きだ。


弱い人をいじめることができるから。


いじめは楽しい。


自分さえいじめられなければ、それでいい。


一階におりると、机の上に置いてある朝ごはんを食べて、学校に行く準備をした。


「行ってきます」


両親は朝早いため誰もいないけど、一応『行ってきます』だけはいっておく。


「美樹おはよう!」


家を出ると、何でもやってくれる親友の一人、咲希がいた。


「咲希おはよう。今日も早いね」


「美樹が遅いだけだよー。なんちゃって」


咲希はいつものように冗談を言って、笑っている。


「てか、川崎のヤツ今日は何してやろうか?」


咲希が楽しそうに言った。


川崎とは、今私たちが目をつけている、弱虫野郎だ。


昨日は逆らってきたからトイレの個室に閉じ込めて、上からホースで水をかけてやった。


あの時の川崎の叫び声、本当に最高だった。