ここで私は、明日の私を待つ

そういえばさっき、咲希は川崎のことを「凛」って呼んでいなかったっけ?


本当にこの二人、いつの間に仲良くなったの!?


「ねぇ凛。ちょっと早いけど、いつもみたいにやってやろうよ」


「そうだね!」


咲希の言葉に頷いた川崎は、一歩一歩私に踏みよってきた。


「この目障り女が!」


そう言って川崎は、私のお腹をひと蹴り。


それを見た周りのみんなは、クスクス笑っている。


昨日まで私の言う通りにしてくれていたみんなを、川崎はたった一日でどうやって自分の味方につけたのだろうか。


今は冬なのに、私の額には汗が滲んでいる。


「あれあれ?冬なのに暑いのかなー?」


私が汗を流していることに気づいた咲希が、自分のカバンから水筒を取り出した。


そして、蓋を開けて私の頭の上で逆さまにした。


「冷たっ!やめてよ」


今日は雪が降りそうなくらい寒いってのに、なんてことをしてくれるのだろうか。


しかもよく見たらこれ、お茶じゃない?


お茶の匂いがついた。


最悪だ。


土にお茶が染み込んで、泥ができた。


咲希は私のカバンを取り上げて、水たまりに逆さまにした。


「ちょっと!」


私の教科書は泥だらけになった。


「あははははっ、あんたには泥がお似合いだよ」


それを見ていた周りの人が、私の教科書に泥をつけ始めた。


「ちょ、やめてやめて!」