◇
「お二人とも、本当にお疲れ様でした。ゆっくり休んでくださいね」
乗客乗員の全員を無事に降ろしたあと、大翔と舞はオフィスに戻った。
ヒアリングを受け、ようやく解放された時には、深夜の2時を回っていた。
二人でタクシーに乗り込むと、大翔はまず舞のマンションに向かうように運転手に頼む。
「ありがとうございます」
「当然だ。せっかくのクリスマスイブなのに、すまない」
「いいえ、キャプテンのおかげで誰一人ケガもなく無事に下りられました。本当にありがとうございました」
「いや。君もよくやってくれた。怖かっただろう?」
「まさか、そんな」
そう言って首を振ったが、心配そうに見つめてくる大翔の眼差しに、思わず涙が溢れた。
大翔は腕を伸ばし、そっと舞の頭を抱き寄せる。
「怖くない訳がない。訓練を積んできたとは言え、実際にこんなことが起こったのは初めてだったんだろう? パイロットはいつだって冷静でなければいけない。多くの乗客と乗員の命を守らなければならない。そればかり頭にあったんだろう? 普通の女の子なのに。ものすごいプレッシャーの中、本当によくやってくれた。ありがとう。君と一緒だったから、俺も無事にシップを下ろせたんだ」
優しい言葉と大きな腕の温もりに、舞は言葉もなくポロポロと涙をこぼす。
そんな舞の頭をポンポンとなでてから、大翔はジャケットのポケットに手をやった。
「サンタクロースから預かったんだ。はい、これ」
「え?」
目の前に小さな箱を差し出され、舞はぱちぱちと瞬きを繰り返す。
突然のことに驚いて、涙がピタリと止まった。
「これって、なんですか?」
「だから、サンタクロースから預かったんだってば」
ぶっきらぼうにそう言うと、大翔は強引に舞の手に箱を握らせる。
舞はそっと箱のふたを開けてみた。
「えっ……」
中に入っていたのは、クリスタルのクリスマスリースのブローチ。
緑のリースに赤いポインセチアとゴールドのリボンが、窓からの月明かりを受けて輝いていた。
「わあ、きれい」
舞は満面の笑みを浮かべてブローチに魅入る。
「メリークリスマス。……って、サンタクロースが言っていた」
大翔の言葉に、舞は堪えきれずに笑い出す。
「ふふふ、ありがとうございます。って、サンタクロースにお伝えください」
「分かった」
「ありがとうございます、相澤キャプテン。メリークリスマス」
「ああ、メリークリスマス」
ようやく二人で視線を合わせて微笑んだ。
「お二人とも、本当にお疲れ様でした。ゆっくり休んでくださいね」
乗客乗員の全員を無事に降ろしたあと、大翔と舞はオフィスに戻った。
ヒアリングを受け、ようやく解放された時には、深夜の2時を回っていた。
二人でタクシーに乗り込むと、大翔はまず舞のマンションに向かうように運転手に頼む。
「ありがとうございます」
「当然だ。せっかくのクリスマスイブなのに、すまない」
「いいえ、キャプテンのおかげで誰一人ケガもなく無事に下りられました。本当にありがとうございました」
「いや。君もよくやってくれた。怖かっただろう?」
「まさか、そんな」
そう言って首を振ったが、心配そうに見つめてくる大翔の眼差しに、思わず涙が溢れた。
大翔は腕を伸ばし、そっと舞の頭を抱き寄せる。
「怖くない訳がない。訓練を積んできたとは言え、実際にこんなことが起こったのは初めてだったんだろう? パイロットはいつだって冷静でなければいけない。多くの乗客と乗員の命を守らなければならない。そればかり頭にあったんだろう? 普通の女の子なのに。ものすごいプレッシャーの中、本当によくやってくれた。ありがとう。君と一緒だったから、俺も無事にシップを下ろせたんだ」
優しい言葉と大きな腕の温もりに、舞は言葉もなくポロポロと涙をこぼす。
そんな舞の頭をポンポンとなでてから、大翔はジャケットのポケットに手をやった。
「サンタクロースから預かったんだ。はい、これ」
「え?」
目の前に小さな箱を差し出され、舞はぱちぱちと瞬きを繰り返す。
突然のことに驚いて、涙がピタリと止まった。
「これって、なんですか?」
「だから、サンタクロースから預かったんだってば」
ぶっきらぼうにそう言うと、大翔は強引に舞の手に箱を握らせる。
舞はそっと箱のふたを開けてみた。
「えっ……」
中に入っていたのは、クリスタルのクリスマスリースのブローチ。
緑のリースに赤いポインセチアとゴールドのリボンが、窓からの月明かりを受けて輝いていた。
「わあ、きれい」
舞は満面の笑みを浮かべてブローチに魅入る。
「メリークリスマス。……って、サンタクロースが言っていた」
大翔の言葉に、舞は堪えきれずに笑い出す。
「ふふふ、ありがとうございます。って、サンタクロースにお伝えください」
「分かった」
「ありがとうございます、相澤キャプテン。メリークリスマス」
「ああ、メリークリスマス」
ようやく二人で視線を合わせて微笑んだ。



