目を醒ます。

天井には、いつもと変わらない木板のシミ。

上体を起こして勉強机をふと見ると、
散乱した筆記用具と灰色の表紙のノート。

それをめくると、
様々な筆跡、様々な色で書かれた日記。

だれが書いたか?
もちろん、私、ウチ、オレ、ぼく、あたい。

五人の私は、さよならという言葉を飲み込んで、多分、明日も日記を綴っていく。