その彼女の問いに、湊は少しだけ顔を上げた。そして一瞬、躊躇ったような表情を浮かべたが
「転換中、音減らしたほうがいいです。」
吐き出すように言った。
「それで。」
「完全に止めると空気切れるんで、ベースだけ残して低音だけ流して繋いだほうが、次に入りやすいと思います。」
会議室が静かになる、もはや音楽に深く関わって来なければ、口に出来る言葉ではなかった。
「どう思われます?」
和那は、同席している音楽ディレクターに話を向ける。
「なるほど・・・次のアーティストへの空気を切らないってことですね。確かにそのほうが自然かもしれません。」
「映像も合わせやすいですしね。」
和那の言葉に
「はい。それにしても、こちらに南澤さん以上に音楽、フェスに精通されている方がいらっしゃるとは思いませんでした。これは心強いですな。」
ディレクタ-が笑顔で応えると
「とんでも、ありません・・・。」
湊は静かに首を振ると、資料に目を落とした。
ミ-ティングが終わり、出席していた取引先、関連会社の面々を送り出した和那がオフィスに戻ると、湊はもう、何事もなかったように自席へ着いている。
そんな彼の姿を確認して、和那も席に着こうとすると
「南澤さん。」
かつて、湊の教育係だった社員が近寄って来た。
「アイツ、結局何者なんですか?」
「さぁ?」
そう言って、小首をかしげて見せると、和那はパソコンを開いた。
「転換中、音減らしたほうがいいです。」
吐き出すように言った。
「それで。」
「完全に止めると空気切れるんで、ベースだけ残して低音だけ流して繋いだほうが、次に入りやすいと思います。」
会議室が静かになる、もはや音楽に深く関わって来なければ、口に出来る言葉ではなかった。
「どう思われます?」
和那は、同席している音楽ディレクターに話を向ける。
「なるほど・・・次のアーティストへの空気を切らないってことですね。確かにそのほうが自然かもしれません。」
「映像も合わせやすいですしね。」
和那の言葉に
「はい。それにしても、こちらに南澤さん以上に音楽、フェスに精通されている方がいらっしゃるとは思いませんでした。これは心強いですな。」
ディレクタ-が笑顔で応えると
「とんでも、ありません・・・。」
湊は静かに首を振ると、資料に目を落とした。
ミ-ティングが終わり、出席していた取引先、関連会社の面々を送り出した和那がオフィスに戻ると、湊はもう、何事もなかったように自席へ着いている。
そんな彼の姿を確認して、和那も席に着こうとすると
「南澤さん。」
かつて、湊の教育係だった社員が近寄って来た。
「アイツ、結局何者なんですか?」
「さぁ?」
そう言って、小首をかしげて見せると、和那はパソコンを開いた。



