意外な展開に、重苦しい空気が流れる。朝比奈なんかに話を振ったって、無駄だろう。この場にいる彼を知る誰もがそう思っていたが、今の和那には、そんなことを言える雰囲気ではなかった。どのくらい時間が経ったのだろう、せいぜい1分くらいだったろうか。
「みなさんのおっしゃってることは、多分逆だと思います。」
遠慮がちに湊が口を開いた。
「どういうこと?」
「『何を売るか』から考えてる時点で、ズレてるんじゃないでしょうか?」
空気が変わる。会議室の温度が、ほんの少しだけ下がった気がした。
「続けて。」
和那が先を促す。湊は少しだけ息を吐いた、そして覚悟を決めたように
「フェスって、音楽フェスって。」
静かな声で言った。
「別に、『商品』を買いに来る場所じゃないんですよ。出演者目当てで来る人はもちろん多数派だと思いますけど、でも結局、最後に残るのって・・・。」
ここで一瞬、湊の目が、ほんの少しだけ遠くを見る。
「『楽しかったな』って感覚なんですよ。」
その言葉を聞いた瞬間、和那は、息を呑んだ。
「音楽って、別に生きるのに必要じゃないんで。でも・・・。」
その語り口はあくまで静かだった。
「それでも、時間使って、金払って、集まって汗だくになるのは、みんなその空間が好きだからなんですよ。」
「だとしたら、私たちは、何を軸にすればいいの?」
ひとりの社員が思わず尋ねる。
「みなさんのおっしゃってることは、多分逆だと思います。」
遠慮がちに湊が口を開いた。
「どういうこと?」
「『何を売るか』から考えてる時点で、ズレてるんじゃないでしょうか?」
空気が変わる。会議室の温度が、ほんの少しだけ下がった気がした。
「続けて。」
和那が先を促す。湊は少しだけ息を吐いた、そして覚悟を決めたように
「フェスって、音楽フェスって。」
静かな声で言った。
「別に、『商品』を買いに来る場所じゃないんですよ。出演者目当てで来る人はもちろん多数派だと思いますけど、でも結局、最後に残るのって・・・。」
ここで一瞬、湊の目が、ほんの少しだけ遠くを見る。
「『楽しかったな』って感覚なんですよ。」
その言葉を聞いた瞬間、和那は、息を呑んだ。
「音楽って、別に生きるのに必要じゃないんで。でも・・・。」
その語り口はあくまで静かだった。
「それでも、時間使って、金払って、集まって汗だくになるのは、みんなその空間が好きだからなんですよ。」
「だとしたら、私たちは、何を軸にすればいいの?」
ひとりの社員が思わず尋ねる。



