他の音が消える。周りのざわめきも、光も、人の気配も・・・全部、どうでもよくなる。そこにあるのは、彼の奏でる音と・・・そして、彼だけ。
呼吸をするのを、忘れそうになる。曲が終わる、一瞬の静寂のあと、歓声が上がる。
「やば・・・。」
隣の悠真の声で、和那は現実に戻る。でも・・・胸の奥の何かは、まだ揺れたままだった。
初めてだった。こんなふうに、誰かの音に引き込まれたのは。理由なんて、分からない。でも、一つだけ、はっきりしていたのは
(とても、私たちと同じカレッジバンドのレベルじゃないよ・・・。)
和那は思った、そう思ってしまった。
これが和那と彼、朝比奈湊との出会いだった。これ以降、『Riot Beat』はリーダ-でボーカル・ベースの湊の人気の高まりもあり、一気にカレッジバンド界の雄とも言える存在にのし上がって行くのだが、『Lumiere』とは大学が違うこともあり、大学合同のライブでたまに顔を合わせるくらいで、そんなに関係が密だったわけではなかった。
ただ、同じベーシストとして、悠真がすっかり湊に惚れ込んでしまい、持ち前の開けっ広げの性格で、個人的に彼との関係を深めて行ったことから、悠真のバンドの一員である和那や柚希たちも彼と顔を合わせれば、挨拶や簡単な雑談を交わす仲になっていた。
呼吸をするのを、忘れそうになる。曲が終わる、一瞬の静寂のあと、歓声が上がる。
「やば・・・。」
隣の悠真の声で、和那は現実に戻る。でも・・・胸の奥の何かは、まだ揺れたままだった。
初めてだった。こんなふうに、誰かの音に引き込まれたのは。理由なんて、分からない。でも、一つだけ、はっきりしていたのは
(とても、私たちと同じカレッジバンドのレベルじゃないよ・・・。)
和那は思った、そう思ってしまった。
これが和那と彼、朝比奈湊との出会いだった。これ以降、『Riot Beat』はリーダ-でボーカル・ベースの湊の人気の高まりもあり、一気にカレッジバンド界の雄とも言える存在にのし上がって行くのだが、『Lumiere』とは大学が違うこともあり、大学合同のライブでたまに顔を合わせるくらいで、そんなに関係が密だったわけではなかった。
ただ、同じベーシストとして、悠真がすっかり湊に惚れ込んでしまい、持ち前の開けっ広げの性格で、個人的に彼との関係を深めて行ったことから、悠真のバンドの一員である和那や柚希たちも彼と顔を合わせれば、挨拶や簡単な雑談を交わす仲になっていた。



