『Lumiere』が活動を始めてから1年、和那たちは大学2年の春を迎えていた。
この日、軽音サークルのライブハウスは、いつもより少しだけ人が多かった。
「今日、他大学から来てるバンドは、そこそこ人気があるらしいぜ。」
「なんて言っても、今日のトリだからね。」
楽屋で、悠真と柚希がそんなことを話しているのに
「へえ。」
適当に相槌を打ちながら、和那はドリンクを一口、口に含んだ。自分たちの出番を前に、正直あまり興味はなかった。
やがて自分たちの出番が終わり、舞台が暗転して、そのバンド『Riot Beat』が準備を始めると、客席がざわめき始める。明らかに彼ら目当ての観客たちだ。
そして、彼らがスタンバイを終え、再び舞台が明るくなると、キャ-と黄色い声援が上がる。出演者の身内や友人が観客の多数を占めるこのライブでは、珍しい反応だった。
(ちょっと聴いてみようか。)
その程度だった和那の思いは、彼らが奏でた第一音で一変した。
「えっ・・・。」
思わず、息を呑んだ。会場の空気が一瞬にして変わったのが、はっきりわかった。
低くて、芯のある音。体の奥に直接響いてくるような振動・・・。視線の先、ステージの中央。ベースを手に、マイクに向かっていたのは彼、だった。
照明を背にして、少しだけ影が落ちる。表情ははっきり見えないのに、目が逸らせない。無理に張り上げているわけじゃないのに、空間をまっすぐに貫いて来る。
「なに、これ・・・。」
和那は思わず、独り言ちていた。
この日、軽音サークルのライブハウスは、いつもより少しだけ人が多かった。
「今日、他大学から来てるバンドは、そこそこ人気があるらしいぜ。」
「なんて言っても、今日のトリだからね。」
楽屋で、悠真と柚希がそんなことを話しているのに
「へえ。」
適当に相槌を打ちながら、和那はドリンクを一口、口に含んだ。自分たちの出番を前に、正直あまり興味はなかった。
やがて自分たちの出番が終わり、舞台が暗転して、そのバンド『Riot Beat』が準備を始めると、客席がざわめき始める。明らかに彼ら目当ての観客たちだ。
そして、彼らがスタンバイを終え、再び舞台が明るくなると、キャ-と黄色い声援が上がる。出演者の身内や友人が観客の多数を占めるこのライブでは、珍しい反応だった。
(ちょっと聴いてみようか。)
その程度だった和那の思いは、彼らが奏でた第一音で一変した。
「えっ・・・。」
思わず、息を呑んだ。会場の空気が一瞬にして変わったのが、はっきりわかった。
低くて、芯のある音。体の奥に直接響いてくるような振動・・・。視線の先、ステージの中央。ベースを手に、マイクに向かっていたのは彼、だった。
照明を背にして、少しだけ影が落ちる。表情ははっきり見えないのに、目が逸らせない。無理に張り上げているわけじゃないのに、空間をまっすぐに貫いて来る。
「なに、これ・・・。」
和那は思わず、独り言ちていた。



