「俺、ですか・・・。」
果たして、少し表情を強張らせた湊は
「音楽とは・・・あんまり縁がありませんでしたね。」
ポツンと呟くように言った。その言葉を聞いた和那が思わず、息を呑むと
「というか、どっちかって言うと苦手だったかもしれません。」
と続けた彼の言葉に、愕然となった。
「なんか、すみません。でも、まぁ音楽が苦手だろうと何だろうと、俺の役目はみなさんの後方支援で、雑務をこなすことだけですから。今度こそは足を引っ張らないように頑張ります。」
「・・・。」
「じゃ、今日はこれで失礼します。」
そう言って頭を下げて、自分から離れて行く湊に、ハッと気づいた和那は
「お、お疲れ様。」
慌てて、その背中に挨拶の言葉を送るのが、精一杯だった。
その夜。
帰宅した和那は、久しぶりにしまい込んだままになっていたある物を、押し入れから取り出した。
(まだ、鳴るかな・・・?)
そんなことを思いながら、テーブルの上に置いたのは、古びたおもちゃのピアノだった。娘が生まれたら、絶対にピアノをやらせる・・・そう息巻いていた父親が幼い自分に買い与えてくれたもの。記憶にはないが、その時の自分は大喜びだったと、のちに両親から何度も聞かされたものだ。
その後、正式にピアノを始めた和那のパートナ-はすぐに、グランドピアノになり、バンド活動を始めると電子ピアノやシンセサイザ-になって行くのだが、このおもちゃのピアノは常に和那の部屋の一角にあり、ふと思い立つと、彼女はそれを奏でた。
果たして、少し表情を強張らせた湊は
「音楽とは・・・あんまり縁がありませんでしたね。」
ポツンと呟くように言った。その言葉を聞いた和那が思わず、息を呑むと
「というか、どっちかって言うと苦手だったかもしれません。」
と続けた彼の言葉に、愕然となった。
「なんか、すみません。でも、まぁ音楽が苦手だろうと何だろうと、俺の役目はみなさんの後方支援で、雑務をこなすことだけですから。今度こそは足を引っ張らないように頑張ります。」
「・・・。」
「じゃ、今日はこれで失礼します。」
そう言って頭を下げて、自分から離れて行く湊に、ハッと気づいた和那は
「お、お疲れ様。」
慌てて、その背中に挨拶の言葉を送るのが、精一杯だった。
その夜。
帰宅した和那は、久しぶりにしまい込んだままになっていたある物を、押し入れから取り出した。
(まだ、鳴るかな・・・?)
そんなことを思いながら、テーブルの上に置いたのは、古びたおもちゃのピアノだった。娘が生まれたら、絶対にピアノをやらせる・・・そう息巻いていた父親が幼い自分に買い与えてくれたもの。記憶にはないが、その時の自分は大喜びだったと、のちに両親から何度も聞かされたものだ。
その後、正式にピアノを始めた和那のパートナ-はすぐに、グランドピアノになり、バンド活動を始めると電子ピアノやシンセサイザ-になって行くのだが、このおもちゃのピアノは常に和那の部屋の一角にあり、ふと思い立つと、彼女はそれを奏でた。



