その夜。柚希と別れて自宅に戻ると、和那はノートパソコンを開き、久しぶりにそのバンド名を検索していた。
『Riot Beat』
それは、大学時代の和那が眩しく見つめていたバンド、そしてその中心に彼がいた。エンターキーを押す。そして表示された検索結果の1番上のバナ-をクリックすると、そこに現れたのは、彼らの「公式チャンネル」と銘打たれたサイトだった。
プロデビュ-以来、和那はずっと彼らを追いかけて来た。毎回コメントを書いたわけじゃない、ライブに足を運ぶことも何回かしか出来なかった。でも、更新されるたびに、サイトにはアクセスした。いつかメジャ-になる、彼らなら、ううん彼なら絶対に・・・。
しかし現実は残酷だった。やがてライブは開催されなくなり、彼らの活動拠点は動画サイトへの楽曲の投稿がメインになって行った。そして、いつしかメンバ-はひとり、またひとりと減って行き、最後には、彼ひとりになっていた。小さな部屋で、本当にたった一人で、パソコン越しの誰かに向けて、ベース音を奏でていた。
画面の中の彼は、少し痩せて見えた。昔よりずっと静かで、笑わなくなって・・・それでも、彼は歌い続けていた。和那はそんな彼の姿を見つめ続け、コメントを送って来た。
そして、かれこれ1年ほど前にアップされた新曲、タイトルは『夜明け前』。再生回数は537・・・。それを最後にサイトの更新がストップした。彼からは何のコメントも発信もないままに。心配して、コメントを入れても、なしのつぶて。やがて、コメント欄はなんの告知もないまま閉鎖された。
こうして彼、朝比奈湊は和那の前から、永遠に姿を消した・・・はずだった。しかし彼は、全く予期せぬ形で、予期せぬ姿で、再び和那の前に現れた。
以来、4か月・・・
(あの男は私の頭を悩ませ、そして私の心をかき乱し続けてくれている。本当に、厄介な奴・・・。)
和那は大きくため息をついた。
『Riot Beat』
それは、大学時代の和那が眩しく見つめていたバンド、そしてその中心に彼がいた。エンターキーを押す。そして表示された検索結果の1番上のバナ-をクリックすると、そこに現れたのは、彼らの「公式チャンネル」と銘打たれたサイトだった。
プロデビュ-以来、和那はずっと彼らを追いかけて来た。毎回コメントを書いたわけじゃない、ライブに足を運ぶことも何回かしか出来なかった。でも、更新されるたびに、サイトにはアクセスした。いつかメジャ-になる、彼らなら、ううん彼なら絶対に・・・。
しかし現実は残酷だった。やがてライブは開催されなくなり、彼らの活動拠点は動画サイトへの楽曲の投稿がメインになって行った。そして、いつしかメンバ-はひとり、またひとりと減って行き、最後には、彼ひとりになっていた。小さな部屋で、本当にたった一人で、パソコン越しの誰かに向けて、ベース音を奏でていた。
画面の中の彼は、少し痩せて見えた。昔よりずっと静かで、笑わなくなって・・・それでも、彼は歌い続けていた。和那はそんな彼の姿を見つめ続け、コメントを送って来た。
そして、かれこれ1年ほど前にアップされた新曲、タイトルは『夜明け前』。再生回数は537・・・。それを最後にサイトの更新がストップした。彼からは何のコメントも発信もないままに。心配して、コメントを入れても、なしのつぶて。やがて、コメント欄はなんの告知もないまま閉鎖された。
こうして彼、朝比奈湊は和那の前から、永遠に姿を消した・・・はずだった。しかし彼は、全く予期せぬ形で、予期せぬ姿で、再び和那の前に現れた。
以来、4か月・・・
(あの男は私の頭を悩ませ、そして私の心をかき乱し続けてくれている。本当に、厄介な奴・・・。)
和那は大きくため息をついた。



