わたしは安福先輩の何ですか?

「こんなとこ呼び出して何する気~?」

でもさすがに下駄箱で話すのは気が引けたからそのまま外に出て隠れるように校舎の裏まで、たぶんここなら誰にも見られないかなって。
ちょっと寒いけど、静かだし私と粋先輩しかいないから。

「つーかマジで何?もうみらのと話すことなんかないんだけど」

「…粋先輩はないかもしれないですけど、私は話がしたかったので」

はぁっと息を吐いた粋先輩はめんどくさそうで、全然私のことなんか見ていなかった。
ズボンのポケットに手を入れて白い息を吐いて、気だるそうにしてた。

「…私、やっぱり粋先輩のこと嫌いになれないです」

「は?わざわざそんなこと言いに来たわけ?」

「すぐ嘘つくし、むかつくし、嫌なとこいっぱいありますけど…」

「それ嫌いじゃん?嫌い以外になくない?」

でもね、勉強教えてくれたり限定のパンくれたりケガした私を助けてくれたり…
思い出したらたくさんあるよ、粋先輩が私にしてくれたこと。

鈴木先輩に私のことを話してくれたのだって、あんなことわざわざ言わなくていいのに…
私何もしてないのに、無駄な仕事増やしただけなのに、それでも伝えてくれたんですよね?

私が最初に気付いたって。

「嫌いになれないですよ」

思えばずっとそうだったんだ、私が気付いてなかっただけで。

“酔ってんなら送っていこうか?”

「やさしいの知ってますから…!」