わたしは安福先輩の何ですか?

安福先輩の手から温度が伝わって体中が熱くなって、心臓がやばい鼓動がうるさい。

何かがぶわっと溢れそうなくらい、だけど…

「知ってるけど?」

冷ややかな粋先輩の声に一気に空気が冷たくなって、鋭い視線は安福先輩のことを睨んでた。

「じゃあ今何してたの!?」

え…?

あ、見てたんだ…!?


私たちのこと…っ


はぁっと息を吐いた粋先輩が自転車を起こしながら立ち上がった。横たわっていた自転車のカゴは少し凹んでいた。

「何もしてないから、まだ」

「まだって…!」

スッと抜けていくように歩き出す、少し落とした視線はどこを見ているのかわからなくて。

「もう何もするつもりないし、どーせみらのに嫌われたから」

ずんっと重くて冷たくて、座ったまま動けなかった。

粋先輩の顔も見られなくて、自転車を押していく後ろ姿も見られなかった。

「みらのちゃん、大丈夫だった?」

「…。」

「みらのちゃん?」

「あ、はい!大丈夫…です」

安福先輩が手を引いて立たせてくれる、心配そうな顔で私のことを見て。

だから、はいって笑って…
笑って答えた。


きゅっと握られた安福先輩の手があったかくて、嬉しい。

嬉しいのに、粋先輩のことが頭から離れなくて。


離れなかった。