わたしは安福先輩の何ですか?

そんなこと言われて、なんて言えばいいのかわからなくて目を伏せちゃった。

とぼとぼ歩く足が重くて。

「なのにさ、蒼ちゃんくっそ真面目だからぜってぇ呼ばねぇのな!」

「……。」

「みんな呼んでても頑なに呼ばねぇの腹立つ!!」

「腹立つって…そこがいいんですよ!」

だけどその言い方には引っかかっちゃって粋先輩の方を見ちゃったから。

「安福先輩のそーゆうやさしいところが…っ」

「そうだな、どーせ俺はやさしくないしみらのに嘘ついてばっかだしな」

「…っ」

そんなことが言いたかった訳じゃないのに、粋先輩の瞳がさみしそうだったから。

そんな顔されたら何も言えなくなる、私がそうさせてるんだって思ったら何も。


でも何を言えばいいんだろう?

何を返せばいいの?


私が粋先輩に言えることって…


「みらのちょっと自転車持ってくれない?靴紐縛りたくて」

「あ、はい…っ」

傾けられた自転車のハンドルを預かろうとして、グラついたタイヤのせいで少しだけ粋先輩の方へ寄ってしまいそうになった。

直そうとハンドルの向きを変えようとした時、ふっと粋先輩が近付いたから。

私の前に現れるみたいに、私の視界には粋先輩しか入って来なくて。


唇に近付くのがわかってー…