わたしは安福先輩の何ですか?

「粋先輩のことすごい心配して、悩んで…みちゃと会わないようにって気を遣って!」

映画館のゲーセンにだって行かないようにしようって、そんな細かいところまで考えてた。


やさしいから、安福先輩はやさしいから…

先のことまでいっぱい考えてたのに。


「勝手に気遣わないでほしいよね~」

なのに粋先輩は、はぁーっとめんどくさそうに息を吐いて、へらっとあざ笑うから。

「安福先輩は…っ、粋先輩がまだみちゃのこと好きだから傷つかないようにって思ってたんですよ!」

「誰が元カノのことまだ好きって言ったの?」

あ、まただ。スッと鋭い視線が私の方に向けられる。

「それ誰が言ったの?」

「え、それは…」

「言ってないよね?みらのの勘違いだよね、何もかもがみらのの勘違いだよね?」

「な、何もかもってそれは粋先輩が…!」

全部、私についた嘘だから。

粋先輩が私についた、嘘だから。

「あんな奴もう好きじゃねぇーよ、向こうはより戻したいらしいけど誰が戻すかよ」

「……。」

もう全然わかんないんだけど。


なんで?

どうして?


何から聞けばいいのかわからない…


だけど、思えばずっと粋先輩に振り回されてばっかりだったの。文化祭実行委員をしてから。


「…なんで私に嘘ついたんですか?」

安福先輩にはかわいい彼女がいるって言ってた、いなかったけど。

「ひどいじゃないですか!」

安福先輩には忘れられない彼女がいるって言ってた、いなかったけど。

「どうしてそんなことしたんですか!?」


全部、全部、どれもこれも粋先輩の噓だった。

その嘘に私がどれだけ悩んだのか、粋先輩は知らないですよね?


どうしてそんなこと…っ


「みらのが好きだから」


鋭い視線は変わらず私を真っ直ぐ見ていて。

「テキトーなこと言わないでください」

でももう騙されない、それも嘘だってわかってる。

口だけマンの粋先輩の言うことなんてもう、わかってる。

「本気だけど」

わかってる…、はずで。

「俺はみらのが好きだよ」

嘘だってわかってるのに。