わたしは安福先輩の何ですか?

初めて安福先輩と帰ることになった。

すっごく嬉しくて、とてつもなくドキドキしてる。
一緒に帰れて嬉しいドキドキじゃなくて、これから告白しようってえぐい緊張のドキドキが。

うわぁーーーーー…

これ告いえるかな!?
いや、告うんだけどもう告うって決めたんだけど…
えっぐえぐだよコレ…っ!!!

「あ、そうだ!俺、ホームラン打ったよ!」

落ち着かない私の隣で安福先輩がにこっと笑った。

「…って、すげぇ今更なんだけどみらのちゃんにちゃんと言いたくて」

頭を掻きながら眉をハの字にして、今度は恥ずかしそうに笑った。ほんのり頬を赤く染めて、その顔にきゅーっと胸が締め付けられる。

あぁ好きだなって、思っちゃった。
何度も何度も思っちゃうの、大好きだなって。


安福先輩の顔が

声が

仕草が

すべてが、私の中に入り込んで出ていってはくれないから。


「ちゃんと見てました!」

もう閉じ込めておくだけは嫌なの。

「安福先輩がホームラン打つところ見てました!カッコよくて、すごくて、私感動しちゃって…それでっ」

「ありがとう」

やさしく微笑んだ安福先輩が私の方を見るから、本当はもっと言いたいことがあったのに。
野球の知識ゼロの私じゃ全然上手いことは言えないんだけど。

「みらのちゃんに見てほしかったからよかった」

胸が苦しい。
押しつぶされる、安福先輩を見ていたら。

そう思ってるのは私だけかもしれないけど。
安福先輩は何とも思ってないかもしれないけど。

想いは溢れて止まらなくなるから。

「みらのちゃんに言おうと思ってたことがあるんだけど」

急にしーんとした帰り道、急に声のトーンの落ちた安福先輩にドキッと心臓が掴まれる。吸った息が返って来ない、吸ったまま止まっちゃったみたいで。

「俺…」

「待ってください!」

つい声を大きくして止めてしまった。
どうしても先に言われるのは嫌で、その言葉を聞く前に言いたかった。

「私もあるんです、安福先輩に言いたいことが…」

頭に過ぎるみちゃのことを、安福先輩から聞く前に。

「私に先に言わせてもらえませんか?」