わたしは安福先輩の何ですか?

その瞬間、キラッと廊下がきらめいたかと思った。トイレの前なのに。

「1年生緊張してたから心配だったんだよね、それぐらい馴染めてたんならよかったって」

やっぱり見た目通りの人だった。
見た目だけじゃなくて中身も輝いてる人だった。

さすが文化祭実行委員長だ。

「久保田に聞いたらはぐらかされたから2号に聞こうと思ったんだけど違ったんだね」

「そうですね、すみません…」

なぜか謝っちゃったけど、鈴木先輩が少しだけさみしそうな顔をするから申し訳ない気持ちになって。

てゆーかはぐらかさないでよね!粋先輩がちゃんと答えてたら鈴木先輩のさみしそうな顔見なくても済んだのに!!

「まぁでも久保田と仲良くなれてたならよかったよ」

「…はい」

一応、仲良くは?なったかな。うん、それはね。

「文化祭実行委員楽しかったよね、打ち上げも」

鈴木先輩の笑った顔はキラキラして、そこに曇りがないのがすごい。
粋先輩と全然違って純を感じて。

「私も楽しかったです!」

だから私も自然と笑って返しちゃうような。

文化祭実行委員は本当に楽しかったし、楽し過ぎて文化祭来なきゃいいのにーって毎日思うくらい…でもどうしてそう思ったのかなって、そんなの考えなくても浮かんでくる。


安福先輩がいたから。

安福先輩に会えたから。


安福先輩の彼女になりたくて、安福先輩を私のものにしたくて。


でもかわいい彼女がいるって聞いて、私には無理だって諦めてた。

本当は諦めたくなんかなかったのに、だって私はずっと…

「2号?」

だからね、思い出したよ。

凹んで泣いて落ち込んでばかりで、もう終わったみたいに思ってた。
これで終わりだって…まだ何もしてないのに。


そうだよ、私まだ何も言えてないの。


「文化祭実行委員長が鈴木先輩でよかったです、すごく楽しかったんで!」

安福先輩に私の気持ち言えてないんだ。
これで終わりだとしても言わなきゃ、ちゃんと自分の気持ちに終わりを告げたい。


まだがんばるんだって、あのホームランに誓ったんだから。