わたしは安福先輩の何ですか?

「彼女がいないんだったら、私だって…っ」

まだ諦めなくていいんだって、まだがんばっていいんだって…そうやって自分で自分を応援するしかなかった。

だって好きな思いは日々大きくなっていくから、やめようと思っても止められないから、どうしたって安福先輩が好きで仕方ないの。

「でもみちゃですよ?かわいくて美人で有名な誰もが知ってるあの“みちゃ”ですよ?」

頭の中をぐるぐる巡って、涙はとめどなく流れて来る。なんて冷たい涙なんだろう。

「みちゃとか…っ」


きっと安福先輩はまだ好きなんだ。

まだ想ってるんだ。


じゃあ、みちゃは?みちゃはどう思ってるの?

どうして今日、ここへ来たの?


それはー…


「そんなの本当に勝てないじゃないですか…!」

もしまだ2人が想い合っていたら、そこに私がは入る隙なんかないよ。

そしたら私はどうしたらいいの?
安福先輩の彼女になれないの?


やっぱり私は安福先輩のモブなんですかー…?


「勝てないよ、みらのには」


嫌に落ち着いた声は生暖かい吐息となって耳元にかかる。静かに伸びて来た冷たい粋先輩の手が私の顔に触れた。

「だから俺が傷付かないようにしてあげたのに」

ひやっとした手にびっくりして、その瞬間クイッと伏せていた顔を起こされた。

「だけどみらのやめないから、蒼ちゃんのこと」

粋先輩と目が合った。涙で滲んだ瞳ではよく見えなかったけど、粋先輩が近付くのがわかったから。

「もう俺にしとけば?」

もう粋先輩しか見えなくて、粋先輩でいっぱいになる。


私の唇に、そっと粋先輩が近付いてー…