わたしは安福先輩の何ですか?

一歩踏み出そうとした足がピタッと止まる。


え、今何て言った?

みちゃってー…


誰か叫んだ、たぶん女の子の声だった。
でも私の聞き間違えかもしれないし、きっと聞き間違えだし…っ

「校門にいるっぽいよ!」

「え、マジ?本物!?」

「誰か待ってるのかな?」

「えーっ、なんで!?誰を待ってるの!?」

「それはわかんないけど…」

聞き間違いであってほしかったのに。


「だってあの“みちゃ”だよ!?」


キャーッと叫ぶ声が聞こえる、きっと少し前の私なら野次馬のように覗きに行ってた。

でも今はこの場から動けない、動きたくない。
だから安福先輩もここにいて、どこにも行かないで私といて。

「…安福先輩?」

隣をチラッと伺うように、どんな顔してるのか気になって。

何にもないよって顔で笑っててほしかった。

さぁ帰ろっかって、私だけを見ていてほしかった。


そんな顔、見せられたら私どうしたらいいかわかんないよ。


「あ、えっと…何?みらのちゃん」

少し見開いた目に視線が泳いで、わかりやすく動揺してた。

それは、そうゆうこと?
もうそうなのかなって、思えちゃうんだけど…

「安福先輩」

「うん、何?あ、もう帰るよね!早く帰ろうか!」

もう私の方が出来なかった、見て見ぬフリなんて。

「まだみちゃのこと好きなんですか?」