わたしは安福先輩の何ですか?

とか言われてもちっとも嬉しくなくて目を細めて返しちゃった。
イラッとしながらもう一度座った。

「褒めてんのに、なんだよその顔は」

「褒めてないですよね!バカにしてますよね!?」

「え、全然してないよ~♡」

よっと声を出して粋先輩が立ち上がる、まだふふって笑いながら。

「かわいいよ」

「だから絶対思ってなっ」

「蒼ちゃんしか見てなくてかわいい」

「…それも褒めてないですよね?」

窓の方に向かって歩いて、肘をついて開いた窓から顔を出すように外を見る。
そんな粋先輩の後ろ姿をなんとなく見つめて。

「みらのはまだやめないの?蒼ちゃんのこと」

「……。」

「みらのに勝ち目あるかなー?難しいんじゃないの~?」

「…わかってます」

言われなくても。

みちゃみたいにかわいくもないし、美人でないし、有名人でもないし、あんな人が元カノって聞いてショックだったし。正直勝てないとも思ったし。

あんなすごい人と付き合ってたんだって、私とは世界が違うように思えちゃって。

だけど…

「好きなんです、安福先輩のこと」

何があってもこれだけは譲れないから。
まだがんばるんだって決めたから、たとえ安福先輩がまだみちゃのことを好きでも。

「美化された過去には勝てないよ」