わたしは安福先輩の何ですか?

少しでも役に立てたらなって、誠意のつもりではあったんだけど…

「いーよいーよ、打ったのは俺だし」

こっちを向いてニカッと笑った安福先輩と目が合った。

「初めてボールがバットに当たってスカッとしたし!」

不意に目が合うのは心臓に悪い、しかもそんな嬉しそうに。

「こんな感覚なんだね~、なんかコツ掴めたと思うんだよね!」

パンパンッと手を払って立ち上がる。だからしゃがみ込んだまま顔を上げて、安福先輩を目で追った。

目が合ったまま、安福先輩と。

「みらのちゃんのおかげじゃん」

怒らないで責めないで、全部いいところに変えてくれるみたいに。
安福先輩は人を傷付ける言葉は言わないの。


あーぁ、また好きになっちゃった。


「これで目指せホームランだよ!」

腰に左手を当てて、人差し指を立てた右手を空に掲げた。
もう薄暗くて太陽はもうほとんど隠れちゃってたけど。

「期待してます」

安福先輩ならきっと打っちゃうと思うんだ、誰もがびっくりする特大ホームランね。
そんな安福先輩が見られたら私はしあわせだなぁ、なんて。

「みらのちゃんのための打つから、ホームラン」

こんな不意打ちには対応出来なくて心臓に悪いとかじゃない、もう通り越してる。

だってすぐに反応出来なかったもん。

心臓も戸惑っちゃった。

やばい、今になって顔が熱いんだけど…
安福先輩から逸らしちゃった。

でもその先に探してたものがひょこっと顔を出してた。

「あ、ボール!ありました!!」

「うわ~~~!よかったー、マジ帰れないかと思った~!」

「…すみません、早く帰りたかったですよね」

「いーよいーよ全然!秋って風が気持ちいいもんね!」

「…はい」

「気にしないでみらのちゃん!」

嬉しい、私まだがんばれる。がんばっちゃうんだもんね。