ロマンスに、キス




「一千華ちゃん、スカートっぽいなと思ってたけど、意外とクール系の服も着るんだね」


「……今日は、そういう気分だったの」



視線を逸らして、軽く首を傾げる。

似合ってない?そう聞く代わりに、目で問いかける。



「ううん、超かわいい」



即答。
迷いのない声。


かわいい。
かわいい。
かわいい。


ここに来るまでに、もう何十回も聞いた言葉。
聞き慣れてるはずなのに、胸に溜まるはずの満足感は、すぐに消えてしまう。


足りない。
全然、足りなかった。


もっと欲しい。
もっと、強く。
もっと、深く。



ただ「かわいい」だけじゃなくて、
あたしの奥まで見て、それでも欲しいって言われるくらいじゃないと。



パンケーキが運ばれてきて、写真とほとんど変わらない見た目に、内心ほっとした。
盛りすぎて実物は別物、なんてこともよくあるから。


……それでも、やっぱりクリームの量は多いけど。