* * * 映画が終わっても、電車の時間まではまだ少しあった。 帰るには早いし、かといって何か予定があるわけでもないということで、一千華の買い物に付き合うことになった。 「ねえ、佐野!これ、かわいくない?」 そう言って、耳元に寄せるピアス。 穴、開いてないくせに。 と、思ったけど、口には出さない。 それに、正直、ピアスなんかより、お前のほうがよっぽどかわいい。 「かわいー」 そういうと、一千華は、すぐにムッと眉を寄せた。 「もっと真剣に見てくれる?」 お前に言ってんだよ、バーカ。