初恋リスタート

ハンバーグ弁当と明日の朝のための菓子パン、それともちろんシュークリームをカゴに放り込んだあと、飲料コーナーに足を向ける。


「どれにしようかな」


私はチューハイを選び始めた。
アルコールはかなり弱いのに好きなのだ。


「これ、限定だ」


期間限定という言葉に弱い私は、シャインマスカット味のチューハイに興味をそそられて、ショーケースの扉に手を伸ばす。

すると、隣に背の高いスーツ姿の男性がやってきて小声で話しだした。


「顔はそのまま動かさないで聞いて」
「えっ、私?」
「そう。男につけられてる」


驚愕の声が漏れそうになり、ギリギリのところで呑(の)み込む。


「つけ……」
「そのまま」


思わず彼のほうに顔を向けようとすると、制されて動けなくなった。


実は、ストーカー行為にあったのはこれで二度目。

一度目は大学生の頃のことだ。

毎日のようにアパートの近くですれ違う男性がいた。