初恋リスタート

電車に揺られて自宅アパートの最寄りの駅で改札にスマホをかざす。

このときのピッという音を聞くと、ようやくプライベートの時間という感じがしてホッとする。

駅舎を出ると駅前の小さな書店で、月曜発売のお気に入りの漫画の続編が出ていないかのチェックをした。

時折早めに店頭に並ぶからだ。

しかし残念ながら手に入らず、すぐに書店を出て次はコンビニに向かう。

先週の土曜にスーパーに行ったっきりで、冷蔵庫の中がすっからかんなのだ。

スーパーは駅とは反対方向にあり、そこまで歩ける気がしない。


梅雨明けはまだのはずなのに、夏がやってきたかのように蒸し暑い。

少し歩くだけでじわりとしみ出す汗をハンカチで拭いながら先を進んだ。


書店から五分ほどの住宅街に差しかかる直前にあるコンビニは、しょっちゅう利用している。

シュークリームが大好きで毎回買うので、〝シュークリームの人〟と呼ばれていないか心配だ。

そうだとしてもやめられないのだけれど。