初恋リスタート

遅めに起きてたまった洗濯を済ませたら、大体お昼は過ぎている。

適当なものでお腹を満たしてダラダラしていると、夕方になってしまうのだ。


「血圧低そうだもんな」


化粧ポーチにあったメイク用品だけで簡単に化粧した顔をまじまじと見られて、顔を両手で覆う。


「どうした?」
「ちゃんとお化粧してないから見ないで」
「英奈に化粧なんていらないだろ。すっぴん知ってるし」


たしかに高校時代、周囲の女の子が薄くファンデーションをつけたり、淡い色のプランパーなどつけていたりするなか、私は日焼け止めくらいしか塗っていなかった。

校則違反だからではなく単に面倒だったからなのだけど、『優等生ぶって』と言われたことを思い出してしまった。

周囲から浮かないようにいつも〝無難〟を選ぶ私だけれど、メイクだけは頑なにしなかった。

それには、肌が弱くてニキビができてしまうという理由もあった。


「もう若くないし」

「まだ二十七だろ。あー、でも高校卒業してもう九年か。若くないか」