初恋リスタート

高校の三年間、私は皆が面倒で嫌がる園芸係を引き受けて、毎朝花壇に水をやっていた。

いつからか彼もやってくるようになり、他愛のない会話を交わすようになったのだ。


「ここは……テインさんの家?」


廉太郎くんはたしか大学は都内で、自宅から通っていたはず。


「違う。俺の父方のばあちゃんが住んでた家。高三のときにばあちゃんが亡くなって、父さんが相続したんだけど、売ると言われて拒んだんだ。この家によく遊びに来てたから」


彼は古ぼけたちゃぶ台を愛しそうにさすりながら言う。


「それで、二年前に全面的にリフォームして、シェアハウスやってる」
「シェアハウス?」
「そう。それで住みやすい心地いい場所という意味で、まほろばと名づけた」


だから、まほろば荘なんだ。


「テインさん兄妹以外にも誰かいるの?」

「いや、テインと晶しかいないし、ほかに住民の募集もしてない。でも一応テインには家賃もらってるんだ。晶の分も含めて月五万」

「五万?」