初恋リスタート

リハビリテーション科には医師もいて私たちとは当然立場が違うが、患者さんは白衣を着て施術する私たちを『先生』と呼んでくれる。


「だから病院にいた?」


矢継ぎ早に聞いてくる彼は、少し興奮気味だ。


「そう、かも」
「マジか。俺、結構長いこと野上の担当だけど知らなかった……」


彼は目を見開いて驚いている。

それは私も同じ。

三日で私を振った元カレと、あれから十年も経ってからこんなふうにつながるなんて思いもしなかった。


「よし、もう一回乾杯」


なんの乾杯なのかよくわからないけれど、ビールの缶をもう一度ぶつけあう。


「そっか。リハの……。英奈らしい感じもするな」
「私らしいって?」
「うーん」


改めてウインナーを口に入れた彼は、なにかを考えている。


「縁の下の力持ちだったじゃないか」
「そうだっけ?」


とぼけてみたけれど、彼は同じことを思い出している気もする。