初恋リスタート

野上総合ではドクターたちが研鑽(けんさん)を積むことでメーカーの立ち会いを減らしていると聞いたが、研修医がオペに入るときには、教育も兼ねてサポートしてもらっているはず。

私は、そうした手術を乗り越えてきた患者さんのリハビリもよく担当する。


「そうなんだ。オペ立ち大変だよね」


そう尋ねると、ウインナーを箸でつかんだ彼の手が止まった。


「オペ立ちわかるんだ」
「理学療法士だから」


この話の流れから、野上総合病院に勤めていることをずっと隠しておくのは難しそうだ。

それに、もう会いたくないと思っていたものの、こうして話していても嫌悪感は湧いてこない。

助けてもらったというのもあるけれど、過去は過去だと吹っ切れているのかもしれない。


「は?」


私の告白に、彼の動きが止まった。

間が抜けた声とともに、つかんでいたウインナーが皿に転がる。


「リハビリの先生?」
「そう言ってくれる患者さんもいるかな」