まさかこんなことになるとは予想外だったけれど、さほど緊張しないのはやっぱり廉太郎くんがいてくれることが大きい。
三日で振られてからほとんど接触することもなかったので心配していたものの、意外にもぎくしゃくした感じはなくてホッとしている。
「英奈ちゃん、好きなだけいていいから。おやすみ」
「おやすみなさい」
テインさんは力こぶを作り、自分の筋肉を確認するように触れながら出ていった。
好きなだけいていいなんて。
さすがに明日は帰りたい。
「ほんと、筋肉ラブだな、あいつ」
テインさんのうしろ姿を見ながら、廉太郎くんが笑っている。
「たまご焼き作るね」
「頼んだ。おっ、テインのビールいただくか」
再び冷蔵庫を覗いた廉太郎くんが悪い顔をした。
「お疲れ」
たまご焼きとウインナーを大皿に盛り、お弁当のハンバーグをふたつに分けて、ビールで乾杯をする。
「うーん、うまい」



