初恋リスタート

なにがそのうちなの?


「俺もさっき弁当買ったんだけど……」
「あっ」


彼がそっと持ち上げた買い物袋が汚れていてハッとした。

さっきストーカーを撒くためわざと落としたときに弁当がこぼれてしまったのだろう。


「ごめん」

「謝らなくても、英奈を助けられたんだから安いもんだ。パックご飯があったような。あ、ビールはこのまま開けると噴く?」

「しばらく待たないとだめかも」


そう伝えると、彼は肩を落としている。


「廉太郎くん、お酒は強いの?」

「そうだな、そこそこ強い。飲みすぎるから、最近は休みの前だけにするよう心がけてる。心がけてるだけで、飲むときは飲むけど」


楽しみにしていた晩酌を台無しにしてしまったようだ。


「ごめんなさい」

「だから、あの気持ち悪い男のせいだって。適当に座布団出して座れ。なんかおかずあるかな」


案内された八畳の茶の間には、年季の入った丸いちゃぶ台と、片隅に座布団が積んであった。