最初は近所に住んでいるのだろうと思っていたが、目が合った彼が意味ありげな笑い方をして、『昨日の白い服のほうがお似合いですよ』と言うので、サーッと血の気が引いたのを覚えている。
さらには腕をつかまれそうになり、分厚い教科書の入ったカバンで叩いてなんとか逃げた。
警察にも届け出たものの犯人はわからず、引っ越しを余儀なくされた。
あのときの恐怖を思い出すと顔が引きつる。
「左上にある鏡に、白いマスクをした、黒いTシャツに紺の帽子姿の男が映ってるよな」
レジの対角線上に設置してある防犯ミラーを目だけで確認すると、たしかに帽子を被った黒い服の男性がいる。
ただこちらに背を向けており、顔までよく見えない。
「偶然英奈を見かけたから声をかけようと思ったんだけど、あの男、妙に落ち着きがなくて。英奈がさっき入ってすぐに出てきた本屋にもついていったから気になって見てたんだ」
あれっ、この声……。しかも英奈って……。
さらには腕をつかまれそうになり、分厚い教科書の入ったカバンで叩いてなんとか逃げた。
警察にも届け出たものの犯人はわからず、引っ越しを余儀なくされた。
あのときの恐怖を思い出すと顔が引きつる。
「左上にある鏡に、白いマスクをした、黒いTシャツに紺の帽子姿の男が映ってるよな」
レジの対角線上に設置してある防犯ミラーを目だけで確認すると、たしかに帽子を被った黒い服の男性がいる。
ただこちらに背を向けており、顔までよく見えない。
「偶然英奈を見かけたから声をかけようと思ったんだけど、あの男、妙に落ち着きがなくて。英奈がさっき入ってすぐに出てきた本屋にもついていったから気になって見てたんだ」
あれっ、この声……。しかも英奈って……。



