翌日の朝。
私は少しそわそわしながら、玄関でたくとひかを待っていた。
今日は――
家族の家に行く。
家族がどんな顔をするのか、不安と期待で胸がいっぱいだった。
「月ちゃん、準備できた?」
いつもよりちょっと柔らかい声のたく。
「迷子になんなよ?」
ぶっきらぼうだけど優しいひか。
2人に挟まれて歩いて行くと、
すぐに見えてきた。
私の家……じゃなくて、ボスが建てた“新しい家”。
見た瞬間、思わず固まった。
「……え。ちょっと待って。なにこのオシャレすぎる家。」
外観は白くて広くて、普通の家より明らかに豪華。
お金持ちの家じゃん。
パパたち、本当にここに住んでるの???
ピンポーン。
「……つ、月姫奈ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ドアが開くと同時に、
お姉ちゃんがダッシュで飛びついてきた。
「わ、わ、苦しい苦しい!!」
「ちょっと!どこ行ってたの!?死ぬほど心配したんだから!!!
でも……うっわ、後ろの2人誰!!?えっイケメンすぎん?????」
開口一番、私の隣のイケメン2人をガン見である。
たくとひかが同時にぺこり。
「はじめまして。月姫奈のお世話係……みたいな感じです。」
たくが爽やかに挨拶すれば、
「お姉さん、月姫奈が普段から世話になってます。」
ひかが低い声で言う。
お姉ちゃんは5秒固まったあと、
「え、紹介して???てか好き。無理。イケメン。ありがとう世界。」
と訳の分からないことを言い出した。
そこにパパとママも出てくる。
「よかった……帰ってきた……。
ほんとに、ほんとに心配したんだぞ……!」
パパが涙目。
思わずじんわり来てしまう。
「あんた無事ならそれでいいわ。でもその後ろの子たち誰?え?ドタイプなんだけど?」
それなに。
私よりテンション高いなに。
たくが丁寧に事情を説明してくれた。
「月姫奈ちゃんを守る役目をボスから任されています」
という感じで。
すると――
お姉ちゃん:「え、最高じゃん。てか1人ちょうだい。」
ママ:「やだぁ〜イケメンに守られて生きてるとか羨ましいんだけど。」
パパ:「お、おい……お前ら浮つきすぎだぞ……(でもちょっと安心してる)」
完全にイケメンに弱い一家だった。
(私もだけど)
ーーー
パパがずっと夢だった蕎麦屋を嬉しそうに案内してくれて、
たくとひかも一緒に蕎麦を食べた。
「……うまいっす」と、ひか。
「これ人気出ますよ絶対」と、たく。
パパは照れながらも、何度もその言葉を噛み締めてた。
ーーー
帰り道。
「月ちゃんの家族、いい人ばっかだな」
たくがぼそっと言った。
「……ほんとに、大切にされてんだな。」
ひかも珍しく柔らかく言った。
私は胸がきゅっとなる。
あぁ。
私はこの世界に来ても、
ちゃんと「家」を持ててる。
そう思えた。
ーーー
その日の夜。
ひかに呼ばれた。
「月姫奈。今日……ちゃんと嬉しそうだったな。」
なんか、ひかの声がいつもより優しかった。
でも次の瞬間、
「だからって、他のイケメンと仲良くしすぎんなよ?」
「……は?」
「家族はいいけど、あいつら(はるとふみ)はダメ。」
ぽつりと、それだけ言って
ひかは部屋を出ていった。
その背中を見ながら――
ひか、ちょっとだけ嫉妬してる?
って気づいてしまった。
胸が、ほんの少しだけ鳴る。
私は少しそわそわしながら、玄関でたくとひかを待っていた。
今日は――
家族の家に行く。
家族がどんな顔をするのか、不安と期待で胸がいっぱいだった。
「月ちゃん、準備できた?」
いつもよりちょっと柔らかい声のたく。
「迷子になんなよ?」
ぶっきらぼうだけど優しいひか。
2人に挟まれて歩いて行くと、
すぐに見えてきた。
私の家……じゃなくて、ボスが建てた“新しい家”。
見た瞬間、思わず固まった。
「……え。ちょっと待って。なにこのオシャレすぎる家。」
外観は白くて広くて、普通の家より明らかに豪華。
お金持ちの家じゃん。
パパたち、本当にここに住んでるの???
ピンポーン。
「……つ、月姫奈ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ドアが開くと同時に、
お姉ちゃんがダッシュで飛びついてきた。
「わ、わ、苦しい苦しい!!」
「ちょっと!どこ行ってたの!?死ぬほど心配したんだから!!!
でも……うっわ、後ろの2人誰!!?えっイケメンすぎん?????」
開口一番、私の隣のイケメン2人をガン見である。
たくとひかが同時にぺこり。
「はじめまして。月姫奈のお世話係……みたいな感じです。」
たくが爽やかに挨拶すれば、
「お姉さん、月姫奈が普段から世話になってます。」
ひかが低い声で言う。
お姉ちゃんは5秒固まったあと、
「え、紹介して???てか好き。無理。イケメン。ありがとう世界。」
と訳の分からないことを言い出した。
そこにパパとママも出てくる。
「よかった……帰ってきた……。
ほんとに、ほんとに心配したんだぞ……!」
パパが涙目。
思わずじんわり来てしまう。
「あんた無事ならそれでいいわ。でもその後ろの子たち誰?え?ドタイプなんだけど?」
それなに。
私よりテンション高いなに。
たくが丁寧に事情を説明してくれた。
「月姫奈ちゃんを守る役目をボスから任されています」
という感じで。
すると――
お姉ちゃん:「え、最高じゃん。てか1人ちょうだい。」
ママ:「やだぁ〜イケメンに守られて生きてるとか羨ましいんだけど。」
パパ:「お、おい……お前ら浮つきすぎだぞ……(でもちょっと安心してる)」
完全にイケメンに弱い一家だった。
(私もだけど)
ーーー
パパがずっと夢だった蕎麦屋を嬉しそうに案内してくれて、
たくとひかも一緒に蕎麦を食べた。
「……うまいっす」と、ひか。
「これ人気出ますよ絶対」と、たく。
パパは照れながらも、何度もその言葉を噛み締めてた。
ーーー
帰り道。
「月ちゃんの家族、いい人ばっかだな」
たくがぼそっと言った。
「……ほんとに、大切にされてんだな。」
ひかも珍しく柔らかく言った。
私は胸がきゅっとなる。
あぁ。
私はこの世界に来ても、
ちゃんと「家」を持ててる。
そう思えた。
ーーー
その日の夜。
ひかに呼ばれた。
「月姫奈。今日……ちゃんと嬉しそうだったな。」
なんか、ひかの声がいつもより優しかった。
でも次の瞬間、
「だからって、他のイケメンと仲良くしすぎんなよ?」
「……は?」
「家族はいいけど、あいつら(はるとふみ)はダメ。」
ぽつりと、それだけ言って
ひかは部屋を出ていった。
その背中を見ながら――
ひか、ちょっとだけ嫉妬してる?
って気づいてしまった。
胸が、ほんの少しだけ鳴る。

