「たくやさん、ひかるさん──お嬢がお帰りになられました」

玄関をくぐった瞬間、
ずらぁぁっと並ぶ黒服イケメン集団。

全員が頭を下げて一斉に言った。

「月姫奈様、お疲れ様です!」

……はい??
私、お嬢じゃないですけど??
え、どゆこと、ヤクザ???

混乱しかない私は、とりあえず。

「お、お疲れ様? たくにひか……」

たくが私にニコッと笑う。

「月ちゃん、おかえり!」

ひかは腕を組んでぶっきらぼうに。

「月姫奈、おかえり。遅かったな」

……少女漫画ですか??
いや私、なんの徳を積んだ??