その日の帰り道は、
初めての「ダブルデート」みたいになった。

「このあとさ、どっか寄ってく?」
咲良が提案する。

「クレープ食いたい。」
遥輝が即答。

「チャラい。似合う。」
咲良が笑う。

「じゃあ行く?」
陽芽が言うと、

「陽芽、甘いの好きだろ。」
遥太が歩幅を合わせてくれた。


 陽芽は頬を赤くした。

 クレープ屋で4人は並んだ。

「はい咲良。」
遥輝が彼女の分を買って渡す。

「ん、ありがと。」
咲良が嬉しそう。

「……陽芽。」
遥太が不器用に差し出してくる。

「えっ、買ってくれたんですか!?」

「……当たり前だろ。
 彼女なんだから。」

「っ……はい!!」

 陽芽の顔は赤くなる一方。

 咲良と遥輝はにやにや。

「陽芽かわいい。」
「分かる。」

「やめてよ〜!!」

 4人の笑い声が、夕暮れの町に響いた。

ーーー

 帰り道の分岐路。
 告白前にすれ違いかけた場所。

 今日は違う。

 みんな笑っていた。

「じゃ、また明日ね。」
咲良が陽芽を抱きしめる。

「うん、また明日。」

陽芽と遥太、
咲良と遥輝がそれぞれペアになり、

恋人として、
友達として、
そして仲間として。

同じ道を歩き続ける未来が見えた気がした。