並木道を抜け、少し落ち着いたベンチに腰を下ろした。
蒼は少し真面目な顔をして、僕の手を両手で包み込んだ。
「⋯⋯佑介くん。私のこと、見つけてくれてありがとう。私に声をかけてくれてありがとう」
「感謝しなきゃいけないのは僕の方だよ。蒼がいなかったら、僕は今頃どうなっていたか分からない」
蒼がいなければ、未知の病に悩まされきっと孤独な病院生活になっていた。
蒼に会えていなかったら、死ぬことも受け入れていたのかもしれない。
「ううん。私は、佑介くんがいたから、命が宿ったみたいなものなんだよ」
彼女の手は少しだけ震えていて、僕はそれを強く握り返した。
「一緒にいてくれてありがとう」
少し透けて見える彼女の心が見えたような気がする。
それはとても辛くて。
けれど、彼女にとってはとても幸せなことだと知った。
