二人で一台のタブレットを囲み、他愛もない映画を見る。
けれど、僕の意識は画面よりも、すぐ隣にいる彼女の体温に向かっていた。
「ねえ、佑介くん。このイルミネーション見に行こうよ!」
蒼が不意に、僕のパジャマの袖を指先で小さく弾いた。
「先生に外出許可取らなきゃね」
「約束だよ?絶対見に行くからぁ〜!」
締め切っているはずの窓なのに、どこからか通る冷たい風が冬を教えてくれる。
蒼はしれっと僕のベッドの布団をひざ掛けにしていた。
「ねえ、佑介くん。手繋いでもいい?」
蒼が遠慮がちに差し出してきた手。僕はそれを、壊れ物を扱うような手つきで包み込んだ。
「温かいね⋯⋯」
「佑介くんの手が、温かいんだよ」
そう言って笑う彼女の肌は、確かにそこに存在しているように感じられる。
僕は彼女の指を一本ずつ確かめるように、ゆっくりと指を絡めた。彼女もまた、僕の手に力を込める。
蒼は何も言わずに僕の肩に頭を預けてきた。
繋いだ手のひらから、言葉以上の何かが流れ込んでくる。
