夢幻に消えた君と、存在しない約束の続きを。



ようやく意を決して、僕は三人のグループトークにメッセージを打ち込んだ。


『二人とも、さっきはごめん。先生と詳しく話してきたよ』


​一瞬で既読が二つ。

二人が画面の前で、僕の言葉をずっと待っていたことが痛いほど伝わってくる。


​『検査の結果、ちょっと厄介な病気だったみたい。しばらくの間は特別な治療に専念しなきゃいけないんだって。だから、明日からは面会もできなくなるみたいだ』


送信ボタンを押す指が重い。すぐに幸一から叫ぶような返信が来た。


​『は!? 面会禁止ってどういうことだよ! 全身打撲だろ!? 意味わかんねーよ!』


幸一が号泣する犬のスタンプを連打してくる。


『幸一、落ち着け。佑介、その治療はどのくらいかかるんだ?』


島は、僕の言葉の裏にある異常事態を察しているのかもしれない。
けれど、彼はあえて深くは追求せず、の言葉を待ってくれている。


僕は深呼吸をして、あらかじめ用意していた嘘を並べた。


​『春くらいには、たぶん学校に戻れると思う。それまでしっかり治してくるよ。だから、二人とも心配しないで。ハンバーガーは、その時までお預けだな』


春。僕の視界を侵食し始めている、あの季節。


皮肉にも、僕が現実を失い、完全に夢に取り込まれるリミットを、僕は戻ってくる時期として伝えてしまった。


『春かよ⋯⋯なげーよ⋯。でも、分かった。お前がそう言うなら待っててやるよ! その代わり、毎日連絡しろよな!』


『わかった。無理はするなよ、佑介。おやすみ』


幸一はまだ号泣スタンプのまま、おやすみ〜と送ってくれた。
僕もおやすみと送り、僕はスマートフォンの電源を切った。


繋がっていた唯一の糸を、自分の手で断ち切ったような感覚。
真っ暗になった画面に映る自分の顔は、まるでもう、この世の人間ではないような、虚ろな表情をしていた。