転生聖女〜現代日本に転生したら、勇者と魔王も同じクラスだったのでクラス替えお願いします

 転生はともかく、私の高校生活が始まった。


「エミリ、おはよ」


 学校に着くと隣の席のリオンが手を振る。

 そこまではいいけど、そのあと私の方に椅子を寄せてくる。

 近いんだけど?

 背の高い黒髪のイケメンが微笑みながらくっついてくるの、対応に困る。


「離れて。半径五メートル距離置いて」

「隣の席だから無理」

「にしたって近いでしょ」

「一時も離れたくないんだ」

「うへ……」


 やめて、耳元でささやかないで……!

 背筋がゾワっとするから!!


「おい、リオン! 離れろ!」

「嫌だ」


 ホームルーム五分前になると、部活の朝練を終えたルイがやってくる。

 ルイは陸上部に入った。

 前世で散々剣を振ったから、今度は何の道具も使わないことをしたい……と言って、長距離走を始めた。


「ぎゃっ、リオン、抱きつかないで!!」

「ほら、エミリも嫌がってるじゃねえか!」

「ちょ、ルイ! なんでルイまで抱きつくわけ!?」

「リオンだけ抱きしめるのはズルいと思うんだ」


 うう、意味わかんないっ。

 毎朝、そうやってもみくちゃしている内に先生が来る。

 さすがに先生が来ると二人とも離れるから、先生にはずっと教室にいていただきたい。


 近くの席のユウキとアコは


「どっちかに決めちゃえばいいのに」

「選ばれなかったほうがヤンデレ化しそう」


 なんて、完全に野次馬だ。

 好き放題言って!!

 私だって野次馬したかった!

 アイリと火渡くんは付き合いたての初々しいカップルムーブ中で、見ていて微笑ましいけど、ルイとリオンが


「俺もエミリとあーんしたい」

「エミリ、僕も手をつないで帰りたい」

「どっちも嫌だ!」

「つれないなー」

「僕はそれを甘やかすのが楽しいんだ」

「マゾか……?」


 そんな感じで、四月が終わった。

 ……ギリ、平和の範疇だと思う。