蒼銀の王女と誓約の騎士〜生贄として連れてこられた神殿で、千年の眠りから覚めた騎士と出逢いました〜

エリシアは言葉を紡ごうとした。

「セドリクス、私……あなたのこと――」

その瞬間。

「行きましょう!」
鋭く通るカインの声が、
石壁に反響した。

二人は跳ねるように顔を上げる。
ルチアが合図を送り、
レジスタンスも位置についたところだった。

エリシアは唇を噛み、
セドリクスは胸の奥で何かを押し殺した。

ほんの一瞬の、
しかし永遠のように濃密な時間が終わる。

セドリクスはそっと手を差し出した。
「行きましょう、エリシア様。
あなたの未来を、共に切り拓くために」

エリシアはその手を強く握り返した。

「……うん。行こう。すべてを終わらせに」

こうして、
黒星宮・玉座の間への決戦が幕を開ける。