黒曜石の壁面が夜空の星を呑み込み、
代わりに妖しい光を放つ──
黒星宮。
その名が示す通り、
帝国の闇と権威の象徴だった。
「……なんて豪奢で美しいの」
エリシアが息を呑むと、
ルチアが小さく肩をすくめた。
「千年前に建てられたルーヴェル王国の宮廷を、帝国が丸ごと乗っ取った結果なんだ。増築に増築を重ねて、迷宮のようになってる」
カインは地図を広げ、
眉間に深い皺を寄せる。
「抜け道は多いが……ほとんど把握されてる。守りも厳しい。正面突破は不可能だ」
そんな中、
セドリクスだけが城を見つめ沈黙していた。
黒曜石に反射する光を見つめるその眼は、
懐かしさと痛みで揺れている。
「……セドリクス?」
エリシアが彼の横顔を覗き込む。
「ここは……我らの王国、ルーヴェルが建てた宮廷だ。エルフリーデ王女と……共に歩いた場所でもある」
遠い記憶を辿るように
セドリクスが目を閉じた瞬間──
エリシアの胸にも、
電撃のように記憶が流れ込んできた。
王女エルフリーデが秘密の回廊に佇む姿。
その背後から近づくセドリクス。
二人だけが共有した、
淡く切ない時間。
「……っ」
エリシアの胸が切なさでいっぱいになる。
セドリクスはあんなに優しい顔を
エルフリーデ王女に向けていたのだ。
「エリシア!」
セドリクスがエリシアの肩を揺らす。
その腕の力強さに、
エリシアははっと我に返った。
「大丈夫……ただ、記憶が……エルフリーデ様の記憶が流れ込んできたの。
この城には隠し扉がある……ヴァルクリオン王家しか知らない……」
ルチアとカインが驚愕する。
「それが本当なら、一気に形勢が変わる!」
代わりに妖しい光を放つ──
黒星宮。
その名が示す通り、
帝国の闇と権威の象徴だった。
「……なんて豪奢で美しいの」
エリシアが息を呑むと、
ルチアが小さく肩をすくめた。
「千年前に建てられたルーヴェル王国の宮廷を、帝国が丸ごと乗っ取った結果なんだ。増築に増築を重ねて、迷宮のようになってる」
カインは地図を広げ、
眉間に深い皺を寄せる。
「抜け道は多いが……ほとんど把握されてる。守りも厳しい。正面突破は不可能だ」
そんな中、
セドリクスだけが城を見つめ沈黙していた。
黒曜石に反射する光を見つめるその眼は、
懐かしさと痛みで揺れている。
「……セドリクス?」
エリシアが彼の横顔を覗き込む。
「ここは……我らの王国、ルーヴェルが建てた宮廷だ。エルフリーデ王女と……共に歩いた場所でもある」
遠い記憶を辿るように
セドリクスが目を閉じた瞬間──
エリシアの胸にも、
電撃のように記憶が流れ込んできた。
王女エルフリーデが秘密の回廊に佇む姿。
その背後から近づくセドリクス。
二人だけが共有した、
淡く切ない時間。
「……っ」
エリシアの胸が切なさでいっぱいになる。
セドリクスはあんなに優しい顔を
エルフリーデ王女に向けていたのだ。
「エリシア!」
セドリクスがエリシアの肩を揺らす。
その腕の力強さに、
エリシアははっと我に返った。
「大丈夫……ただ、記憶が……エルフリーデ様の記憶が流れ込んできたの。
この城には隠し扉がある……ヴァルクリオン王家しか知らない……」
ルチアとカインが驚愕する。
「それが本当なら、一気に形勢が変わる!」



