蒼銀の王女と誓約の騎士〜生贄として連れてこられた神殿で、千年の眠りから覚めた騎士と出逢いました〜

ライオネルの墓前に、
静かな風が吹き抜けた。
白い花弁がひらりと落ち、
焚かれた香の匂いが空気に溶ける。

エリシアは両膝をつき、
ゆっくり手を合わせた。
その横で、
セドリクスも深く頭を垂れている。

「必ず……あなたの無念は晴らします。」
エリシアの声は震えていたが、
瞳には確かな強さが宿っていた。

ルチア、そして仲間たちもそれに続く。
ここ数日でアストラ・ベインの面々とは
すっかり打ち解けた。
同じ古代ルーヴェル王国の血をひく者たち。
仲良くなるのにそう時間はかからなかった。

「必ず俺たちの手で、ルーヴェル王国の復活を。」
「ヴァルディス三世を、この手で終わらせる。」

夜明け前の暗闇の中、
仲間たちは自然と互いの手を重ねた。
手の温かさが、
これから向かう戦いの厳しさを静かに物語っていた。

「行こう、帝都アーゼンハイトへ。」

エリシアを中心とする一行は、
星光を背に、
帝国打倒の旅路へ踏み出した。