蒼銀の王女と誓約の騎士〜生贄として連れてこられた神殿で、千年の眠りから覚めた騎士と出逢いました〜

呆然としていたルチアも、
悔しげに唇を噛みしめながら膝をついた。
その瞳は、
エリシアの“蒼銀の光”に
吸い寄せられるかのように揺れている。

エリシアはルチアの肩にそっと手を置いた。
その瞬間
――淡い光が、彼女の指先から滲み出した。

「これは……?」

光は温かく柔らかく、
星明かりのように舞いながら、
ルチアたちの胸へと吸い込まれていった。

そして彼らの脳裏に直接、
“真実” が流れ込む。

千年前、アーゼンハイト帝国の暴虐。
ヴァルクリオン王家への嫉妬と恐怖。
エルフリーデ王女の拒絶。
滅ぼされた王国。
血を守るため逃げた王弟アルバレス。
そして、
嘘で塗り固められた「古代王国=悪」の偽りの歴史――。

「そ、そんな……私たちは……間違って……」

震える声で呟くルチア。

その頬には、涙がひと筋つたっていた。

「私は……取り返しのつかないことを……!」

エリシアは静かに首を振り、
彼女の手をそっと取った。

「起きてしまったことは変えられません。
でも――これから、共に正しましょう。
あなたたちと一緒に、私たちの祖国を取り戻したい。」

その声は優しくて、温かくて、
そして何より強かった。

アストラ・ベインたちは、
次々と膝をつく。

「エリシア様……!」
「我らが命、すべて捧げます……!」
「どうか我らを導いてください……!」

その光景はまさに“女王の誕生”だった。