蒼銀の王女と誓約の騎士〜生贄として連れてこられた神殿で、千年の眠りから覚めた騎士と出逢いました〜

騎士たちが周囲で互角に戦うなか、
ライオネルは単身そのリーダーに挑む。

刃と刃がぶつかる度、
金属音が霊院の天井へ響き渡る。

「なぜここまてして王家の血を狙う!?」
「それは我らの使命。皇帝陛下に捨てられた命を拾っていただいた恩返しだ。」

激しい連撃の隙、
ルチアのフードが千切れ、仮面が砕けた。

現れたのは――
蒼銀の髪と青い瞳を持つ、まさに“王家の血”の女。

ライオネルは絶句した。
「その髪……その瞳……本当に何も知らされていないのか!?」

「何の話だ。」

「お前……その髪と瞳はヴァルクリオン家の血をひいている証。それなのに何故……!」
「古代ルーヴェルは“災いの国”。陛下が滅ぼしてくださったから今があるのだ!」

彼女は
完全に捻じ曲げられた歴史を信じ切っていた。

「違う……!エルフリーデ様はそんな方ではない――」

「黙れッ!!」

彼女は一切の迷いなく、
ライオネルに突進してきた。

ライオネルは躊躇う。
敵ではあるが、
彼女は間違いなく
ヴァルクリオン王家の血を引いている。
自分が忠誠を誓った王家の人間に
刃を向けるなどできない……

回避が遅れたライオネルの腹に
ルチアの刃が深く突き立つ。
その刃には黒い毒が塗られていた。

「しまっ……」

膝をつくライオネル。
周囲の騎士が叫ぶが、間に合わない。