蒼銀の王女と誓約の騎士〜生贄として連れてこられた神殿で、千年の眠りから覚めた騎士と出逢いました〜

石造りの巨大な天球儀《アストラル・オーブ》が
低く唸り、光を帯び始めた。

「……姫。恐れず、歩みを。」

セドリクスが優しく促す。

その声音は、
まるで宝物でも扱うような柔らかさで——
エリシアは胸がくすぐったくなり、
こくりと頷いた。

そして、
祭壇に足を踏み入れた瞬間。

——パァァァァ!!

蒼銀の光がエリシアの全身から吹き上がり、
長い髪は光を孕んだ星雲のようにふわりと揺れ、
瞳は星を映すような深い光青に変わった。

その姿は、
かつてセドリクスが命を懸けて守ろうとした
エルフリーデ姫に酷似している。

けれど、決定的に違う。

そこに立つのは、誰かの代わりではなく——
確かに エリシアそのもの だった。