蒼銀の王女と誓約の騎士〜生贄として連れてこられた神殿で、千年の眠りから覚めた騎士と出逢いました〜

夜明けとともに、
エリシアたちは霊廟を後にした。
新たな仲間
――ライオネル率いる古代騎士たちも加わり、
一行は星の継承院を目指す。

柔らかな陽光の中、森の道を進む一行。
最初は緊張していたエリシアも、
霊廟での大波乱を経て、
ようやく少し表情が緩んでいた。

「姫、足元にお気をつけを。」

セドリクスが側に寄って、
小さな段差をそっと支える。

「ありがと……セドリクス。」

「……っ」

(手を握らなくても支えられるだろうに…)
そう思っている癖に、嬉しそうなのだ。
そのセドリクスの様子を、
横からライオネルがニヤリと見ている。

「ほう、第一騎士殿がそんな顔をするとは。姫の魅力は千年経っても健在というわけですね。」

「……お前は黙って歩け、ライオネル。」

「ふふ、妬いているのですか?」

「誰が。」

エリシアはそんなふたりのやり取りを聞きながら、
くすっと笑った。

「仲が良いんだね、二人とも。」

「「良くはない」」

ハモった声に、
エリシアは思わず吹き出してしまう。
その笑顔に、
セドリクスもライオネルも一瞬固まり、
まるで太陽が差したように表情がほころんだ。

「……笑うと、全然違うのだな。」

セドリクスの、
ふと漏らした本音にエリシアがきょとんとする。

「え? 何が?」

「なんでもない。」

ライオネルが小声で
「第一騎士らしからぬ言葉だな…」と茶々を入れ、
セドリクスは剣の柄を握って牽制する。
そんな和やかで微笑ましい時間――